太田母斑・扁平母斑・異所性蒙古斑

太田母斑とは

太田母斑のイメージ写真

顔面で得る皮膚感覚などを司る神経を三叉神経と言いますが、その神経の第1枝〜2枝の領域において青色もしくは褐色っぽい母斑(あざ)が発生している状態を太田母斑と言い、通常は左右どちらか片側でみられるようになります(稀に両側でみられることもあります)。

黄色人種に発症しやすいとされ、女性の患者数が男性と比べると4〜5倍多いと言われています。この場合、生後間もなく発症する早発型と思春期前後や妊娠・出産といったホルモンのバランスが変わりやすい時期に起きる遅発型があるとされ、早発型は思春期の頃に症状が悪化するようになります。原因は不明とされていますが、人体に何らかの影響が及ぶということはなく、メラノサイトが真皮の層に集まるなどして起きるのではないかと考えられています。

なお太田母斑というのは、自然に治癒することはありません。そのため見た目が気になると治療となります(保険適用)。この場合、レーザー療法となります。レーザーと一口に言いましても、様々な種類があるのですが、主にQスイッチルビーレーザーを使用していきます。乳児期から太田母斑がみられるようであれば、早い時期から同治療を行った方が高い効果が得られやすいです。

レーザー治療による照射時間はごく短時間ですが、これによって真皮層のメラニン色素を破壊していき、症状が改善されるようになります。なお施術中は肌をゴムで弾く程度の痛みはあります。ただ事前に麻酔クリームなどを塗布して、できるだけ軽減するようにします。なお1度のレーザー照射であざが消えることはなく、3ヵ月程度期間を空けてから再びレーザー治療を行います。これを1年程度続けることも少なくありません。

照射後の注意点ですが、施術後に照射部位が腫れることがあります(期間としては数日程度)。また皮下出血がみられることもありますが、1〜2週間ほどで消えていくようになります。また1回目の治療だけでは効果は感じにくいですが、2回、3回と続けていくうちに効果を実感していくようになります。

扁平母斑とは

主に生まれてから1歳くらいまでに発生する「あざ」(母斑)のことで、はっきりとした茶色で真っ平な母斑が特徴的です。手のひらや足の裏以外の部位で発生するとされ、大きさ(数mm程度から手のひらサイズくらいまで)や形(楕円形、円形、地図状など)は様々あります。発生する数については、単発から多くても4個ほどとされ、それ以上ある場合は神経線維腫症が考えられます。

先にも述べましたが扁平母斑は、先天的なケースが大半ですが、人によっては思春期頃に発生することもあります(遅発性扁平母斑:発生と同時に毛が生えることも多い)。ちなみに放置をしたとしても症状が悪化するということはありません(扁平母斑、遅発性扁平母斑ともに)。また自然に消えることもないので、あざを消したいという場合は治療(レーザー治療)を行うことになります。

発症の原因ですが、表皮の基底層でメラニン色素の産生が亢進することで発生することで起きるのではないかと言われています。

治療については、保険適応となります。治療法はいくつかありますが、Qスイッチルビーレーザーが一般的です。この場合、あざに向けてレーザーを照射し、過剰なメラニンを破壊していきます。照射時間はごくわずかです。短時間でも照射時に痛みはみられます(肌を輪ゴムで弾いた程度)。そのため痛みが苦手な方には、あらかじめ麻酔クリームを照射部位に塗布し、軽減させるようにします。

治療を終えてすぐの頃は、照射部位は軽いやけどを負った状態なのでヒリヒリした痛みが現れることもありますが数日で解消するようになります。また照射部位が顔面であれば1週間程度でかさぶたとなって剥がれ落ちるようになります。このほか紫外線は色素沈着の原因となりますので、日焼けは避けるようにしてください。

なおレーザーの治療によって、あざが消えたとしても再発しやすいことも扁平母斑の特徴で、成人になってからの治療ではとその率は高くなると言われています。ちなみに1歳頃までに治療をすると多くの方は、あざが消失あるいは薄くなるとされていますので、できるだけ早い時期に治療をするのが望ましいです。当院では、治療後に一旦消えたとしてもあざが再生しやすいタイプかどうかを見極めるテスト的な部分照射も行っていますので、お気軽にご相談ください。

異所性蒙古斑とは

蒙古斑は、黄色人種や黒人にみられやすいとされるもので、出生時から主にお尻の部分を中心に確認することができる青色の母斑のことを言います。通常は、小学校に入学する頃から中学年の間に消失するようになります。母斑の原因としては、真皮の層にメラノサイトがたくさん残存していることで起きるのではないかと言われています。異所性蒙古斑は、お尻の周囲の部分だけでなく、その範囲が広い、また本来みられる部位(臀部、腰仙部)でない箇所にあるといった場合を言います。

蒙古斑も異所性蒙古斑も放置することで、体に何かしらの影響がみられるということはありません。ただ異所性蒙古斑に関しては、自然に消える可能性は少ないとされています。そのため、これを消したいという場合は治療をする必要があります。この場合は、レーザー治療(Qスイッチルビーレーザー)が有効と言われています。ちなみに同治療については保険適用となります。

なお蒙古斑は出生時から確認できるので、早めに治療を行いたいという保護者の方もおられますが。1歳になる頃には色素が薄くなることもあるため経過観察することもあります。治療時は、母斑に向けてQスイッチルビーレーザーを照射していきます。照射時の痛みをできるだけ軽減させたい場合は、施術前に麻酔クリームを使用します。短時間照射するだけでメラニンを破壊していきます。治療回数については、色の濃さや母斑の範囲などによって個人差あります。いずれにしても複数回必要な場合は、3ヵ月程度期間を空けてから次回ということになります。

注意点としては、レーザーによって、色素脱失(色が抜ける)が起きやすく、また色素沈着や瘢痕などがみられる可能性もあるので照射の際は注意深く行っていきます。レーザー治療後は、かさぶたが形成されるまでは軟膏を塗布していきます。また治療中は照射部位の日焼けをできるだけ避けるようにします(治療後1〜2ヵ月の間はとくに注意)。