外傷性色素沈着

外傷性色素沈着とは

外傷性色素沈着のイメージ写真

外傷がきっかけで開いた傷口から異物が侵入し、それが取り除かれないまま傷口が閉じられることで、皮膚内に取り残された異物によって色素沈着を起こしている状態を外傷性色素沈着と言います。日常生活で考えられるパターンとしては、転倒して傷を負った際に、そのまま傷口に砂が入り込んで閉じてしまった。鉛筆の芯が刺さって、折れた芯が皮膚の中に入ったままになったといったことなどが挙げられます。

この場合の色素沈着もレーザー療法となりますが、なかでもメラニン色素に対する吸収率が高いとされるQスイッチルビーレーザーを使用していきます。これをメラニン(メラノサイト など)に向けて照射していくことでメラニンを生成する細胞(メラノサイト)などを破壊し、色素沈着を改善させるという治療法になります。これは、扁平母斑や太田母斑、異所性蒙古斑の治療で用いられるほか、刺青を消すという場合も使われます。

治療に関してですが、こちらのケースも保険適用となります。色素沈着の程度や面積によって、レーザー治療の回数は異なります。治療の内容は、太田母斑などと同じです。痛みに不安があるという患者様には麻酔クリームを塗布していきます(痛みの程度は輪ゴムで弾かれたくらい)。施術時間は短時間で済みますが、照射した部位は軽くやけどを負った状態ですので、かさぶたが形成され剥がれていくまでは軟膏を塗布していきます(1〜2週間程度)。また1回のレーザー治療で改善されることはなく、大半は3〜5回程度、間隔を空けて行うようにします。また患部はテープなどで保護するほか、紫外線にも避けるようにします。