じんましん
じんましんとは
じんましんは、これといった前兆もなく、ある日突然、皮膚の一部が赤く腫れあがって、盛り上がるようになります(膨疹、形は円形、楕円形、地図上など様々)。発症と同時にかゆみなどの症状もみられますが、発症して数時間〜24時間以内には、何もなかったかのように跡形もなく消えていきます(色素沈着などもみられない)。なお24時間以内に消失しない場合は別の病気の可能性もありますので、しっかり鑑別するようにしてください。人によって、1回で済むこともあれば、皮疹が現れては消える、を繰り返すこともあります。
なお、じんましんの原因がはっきり特定している場合を刺激誘発型じんましんと言います。この場合はアレルギー性(食物、薬剤、植物、虫(ハチ 等)など)のほか、非アレルギー性(日光、物理的な刺激(引っかき傷や衣服などが擦れる、温熱、日光 等)、汗 など)といったことで引き起こされます。ただこのように原因が特定しているケースというのは、全体の3割程度の患者様です。
残りの7割程度のじんましん患者様というのは原因が特定できません。これを特発性じんましんと言います。この場合、細菌やウイルスの感染、ストレスや疲労、食物など様々な要因が絡み合って起きるといったことが考えられていますが、現時点では不明と言われています。また特発性じんましんの患者様で、じんましんの症状を発症してから6週間程度繰り返していたという場合を急性じんましん、6週間以上続いているという場合は慢性じんましんと診断され、どちらにしても毎日のように症状が出ます。ちなみに慢性じんましんは、数ヵ月から数年かかることも珍しくなく、皮疹がみられる場合は夕方から夜間にかけて出やすいとされています。
じんましんの症状を繰り返していると検査の対象になります。具体的には、問診やアレルギー検査(血液検査、皮膚検査 など)を行いますが、特定しないことが多いです。
治療に関してですが、刺激誘発型じんましんであれば、原因となる物質などを除去する、回避するといった環境を整えます。また、かゆみや皮疹など症状が強く出ているのであれば、適度に抗ヒスタミン薬を内服していきます。特発性じんましんも対症療法として、抗ヒスタミン薬(内服)を使用していきます(症状が治まるようになれば、薬の量を減らす、止めるなどしていきます)。なお、抗ヒスタミン薬では効き目がないくらい重症という場合は、ステロイド薬や免疫抑制薬などを服用していきます。