いぼ・ほくろ
いぼとは
いぼもほくろも皮膚のできもののひとつです。いぼは正式には、尋常性疣贅と呼ばれます。皮膚の小さな傷からHPV(ヒトパピローマウイルス)が体内に侵入し、感染することで発生するようになります。皮膚の様々な部位で起きるようになりますが、なかでも手のひら、足底、頸部、顔面に起きやすいです。全ての世代で発症する可能性がありますが、小児や若い世代で多くみられるようになります。また、いぼの種類としては、足の裏に発生する足底疣贅(まっ平な状態でたこに似ている)、糸のように細長く伸びた糸状疣贅(顔や首などに起きやすい)、ミルメシア(小児の足底や手のひらに盛り上がった小さな結節(中央は陥凹)がみられる。発赤や痛み、腫れがある)などがあります。
治療に関しては、生命に影響するわけではないので放置でもかまいません。ただウイルス性なので増えることがあるので、除去の治療を行うことが多いです(人によっては自然になくなることもありますし、数が少ない、大きくならないと判断すれば、様子をみることもあります)。この場合、液体窒素による凍結療法が行われることが多いです。ただ1度で除去されることはないので、1〜2週間に1回の程度で通院するようになります。このほか、ヨクイニンの内服、炭酸ガスレーザーによる照射などを行うこともあります。
ほくろとは
ほくろは、色素性母斑とも呼ばれます。これは良性の母斑細胞が集まってできた塊ですが、メラニンを含んでいる細胞なので褐色や茶色、あるいは黒色をしていて、平坦なしみのようなものもあれば、表皮から盛り上がって隆起しているものまで形やサイズもいろいろです。ほかにもほくろの周囲が白く抜けるサットン母斑、青黒い色をした青色母斑などもあります。また先天性(生まれつき)のものもあれば、後天性の場合もあります。ちなみに先天性は比較的大きくなりやすいと言われています。ほくろは良性の皮膚腫瘍なので、速やかに治療をする必要はありません。また一般的な大きさとしては、直径5mm以下のものが大半です。ただこれよりも上回る大きさで、だんだん拡大しているという場合は、悪性腫瘍もメラノーマの可能性もありますので、一度ご受診ください。検査としては、ダーモスコープという拡大鏡を使用し、患部を確認します。それでも判断しかねるようであれば、組織を一部採取して顕微鏡で調べる生検を行い、診断をつけるようにします。
先にも述べたように悪性腫瘍の疑いがなければ放置でもかまいませんが、ヒゲが剃りづらい、美容面でどうしても気になる(自費診療)という場合は除去も可能です。治療法としては、炭酸ガスレーザーによるレーザー療法か、外科的切除による手術療法が行われるようになります。